お店でコーヒーを注文するとき、「カフェオレ」と「カフェラテ」の違いがわからず、戸惑ってしまったことはありませんか?
両者の大きな違いは、一言でいうと、ベースとなるコーヒーの抽出方法が異なる点にあります。
上記を含め、「カフェオレ」と「カフェラテ」には、以下7つの違いがあります。
①コーヒーの抽出方法
②コーヒー豆の焙煎度
③牛乳の含有量
④味わい
➄語源
⑥カロリー
⑦カフェイン量
今回この記事では、両者の7つの違いはもちろん、それぞれの特性を活かしたおすすめの飲むタイミングについてもご紹介します。
この記事を読むことで、「カフェオレ」と「カフェラテ」の違いを正確に知り、コーヒータイムをより楽しい時間に変えてみましょう!
1.「カフェオレ」と「カフェラテ」の違い7つ
さっそく「カフェラテ」と「カフェオレ」の違いについてくわしく見ていきましょう。
両者の違いは冒頭で述べた通り、7点あります。
下記に一覧でまとめましたので、ご確認ください。
カフェオレ | カフェラテ | |
コーヒーの抽出方法 | ドリップ抽出 | エスプレッソ抽出 |
コーヒー豆の焙煎度 | 浅く挽いた豆 | 深く挽いた豆 |
牛乳の含有量 | 牛乳5割:コーヒー5割 | (蒸気で温めた)牛乳8割:コーヒー2割 |
味わい | まろやか | 濃厚 |
語源 | フランス | イタリア |
カロリー | 少ない | 多い(牛乳が多いため) |
カフェイン量 | 少ない | やや多い※1 |
※1 作り方によっては「カフェオレ」の方がカフェイン量が多いこともあります。くわしくは「1-7-2.大手コーヒーチェーン店の商品でカフェイン量を比較」をご覧ください。
一見同じように見える「カフェオレ」と「カフェラテ」ですが、こうしてみると、それぞれ細かい違いがあるのがよくわかります。
さらに項目別に掘り下げて確認していきましょう。
1-1.コーヒーの抽出方法の違い
冒頭でもお伝えした通り、「カフェオレ」と「カフェオレ」の最も大きな違いの1つに、コーヒーの抽出方法の違いが挙げられます。
「カフェオレ」はドリップ抽出、「カフェラテ」はエスプレッソ抽出で、それぞれベースとなるコーヒーを作っています。
◎ドリップ抽出
コーヒー豆を挽いた粉を、フィルター(一般的には紙製。他に金属製・布製など)に入れ、上からお湯を注いで飲むコーヒーを指します。家庭などで広く使用されているコーヒーメーカーは、このドリップ抽出がほとんどなので、おなじみの方も多いかもしれません。
そもそも「ドリップ(drip)」とは、英語で「滴らせる」という意味ですが、その名の通り、コーヒー豆にポタポタと熱いお湯を滴らせて、フィルターで濾して飲みます。
ドリップ抽出で淹れたコーヒーの魅力は、なんといっても淹れた人や方法によって、味に変化が出ること。
お湯の温度やコーヒー粉の蒸らし時間、お湯を注ぐ速度など、その人その人のこだわりによって、出来上がるコーヒーの味が変わります。
◎エスプレッソ抽出
一方、こちらの抽出法は、コーヒー粉に圧力をかけたお湯を注ぎ、短時間でコーヒーを抽出します。
ドリップ抽出で作ったコーヒーと比べると、出来上がるコーヒーの量は少な目で、とても苦く濃厚な味がします。
エスプレッソ抽出をする際は、主に専用のエスプレッソマシンを使用します。
1-2.コーヒー豆の焙煎度の違い
カフェオレに使用されるドリップ抽出とカフェラテに使用されるエスプレッソ抽出では、使用するコーヒー豆の焙煎度も異なります。
コーヒーの生豆を煎ることを「焙煎」と呼びます。
通常、カフェオレ(ドリップ抽出)には短時間で浅く煎った豆を使用します。浅く煎った豆は酸味が強く、苦みが少ないため口当たりが軽くなります。
逆に、カフェラテ(エスプレッソ抽出)では、時間をかけて豆を煎ります。深く煎れば煎るほど、コーヒーの苦みが強く、深い味わいが出てきます。
深煎りした豆は、できるだけ細かく挽きます。
なぜなら、高圧のお湯を使って短時間でコーヒーを抽出しなければならないため、短い間にきちんとコーヒー粉へ透過させる必要があるからです。
こうして出来上がったカフェラテ(エスプレッソ抽出)は、カフェオレ(ドリップ抽出)に比べ、抽出量が少なく濃厚な苦みを持つのです。
ちなみに、コーヒーの生豆は火にかけられることで、淡い緑色から黒褐色へと変化していきます。
私たちがよく見かけるコーヒー豆の姿に近くなっていくのです。
1-3.ミルクの含有量の違い
「カフェオレ」と「カフェラテ」では、コーヒーに混ぜる牛乳の割合が異なります。
◎カフェオレ
牛乳5割:コーヒー5割を混ぜて作ります。
コーヒーと牛乳をちょうど半分ずつ使うので、まろやかで飲みやすいコーヒーになります。
コーヒーが苦手な方でも、楽しめる優しい味わいです。
◎カフェラテ
(蒸気で温めた)牛乳8割:コーヒー2割を混ぜて作ります。
カフェラテ作りには、この「蒸気で温めた牛乳」が欠かせません。これは別名「スチームミルク」と言います。
スチームミルクは、エスプレッソマシーンのノズルから出る蒸気で牛乳を温めて作ります。そのため、コーヒーの上部にふわふわした泡立ちができるのが特徴です。
1-4.味わいの違い
注ぎ入れる牛乳量とベースとなるコーヒーによって、「カフェオレ」と「カフェラテ」はそれぞれ異なった味わいが楽しめます。
◎カフェオレ
まろやかで優しい味。
前述したように、浅煎りのコーヒー豆をドリップ抽出して作るため、苦みが少なく飲みやすいです。
牛乳を半分入れるので、苦みだけでなく酸味もほどよく中和され、コーヒーが苦手な方でも楽しめる味です。
◎カフェラテ
味が濃厚で苦みがあります。
深煎りのコーヒー豆を使用し、エスプレッソ抽出をして作るため、しっかりした苦みがあり、コーヒー本来の香りと味をじっくり楽しむことができます。
1-5.語源の違い
両者はそれぞれ、発祥元の国が異なります。
◎カフェオレ
発祥元はフランス。
「café au lait(カフェオレ)」を見ると、「café(カフェ)」はコーヒー、「au(オ)」は英語の前置詞「to,in」に相当するものとしてここでは「~に入っている」を意味しており、「lait(レ)」は牛乳を表します。
◎カフェラテ
発祥元はイタリア。
そもそもベースコーヒーとなっているエスプレッソも、イタリアで生まれたものだと考えれば納得です。
「Caffè Latte(カフェラテ)」の組み合わせを見てみると、「Caffè(カフェ)」はコーヒーを指し、「 Latte(ラッテ)」は牛乳を指します。日本では「カフェラテ」と発音しますが、正式なイタリア語での発音は「カッフェラッテ」となります。
1-6.カロリーの違い
「カフェオレ」と「カフェラテ」では、カロリーも異なります。
コーヒー自体は低カロリーですが、牛乳や砂糖を加えることによりカロリーが増減します。
特に、「カフェラテ」は(蒸気で温めた)牛乳8割をコーヒーに入れているため、牛乳・コーヒーが半々の「カフェオレ」に比べると、自然にカロリーが高くなります。
例を挙げてみましょう。
【1杯200mlで計算したカロリー量】
コーヒー | 牛乳 | |
各カロリー量 | 8kcal | 137kcal |
(カロリー参考:文部科学省 食品成分データベースおよび株式会社 明治)
これをそれぞれの成分割合にあてはめて計算してみると
【1杯200mlで計算したカロリー量~砂糖なしの場合~】
カロリー総量 | コーヒー含有量 | 牛乳含有量 | |
カフェオレ | 72.5kcal | 5割 | 5割 |
カフェラテ | 111.2kcal | 2割 | 8割 |
上の表のように、「カフェオレ 72.5kcal」「カフェラテ 111.2kcal」と出ました。
やはり牛乳量が多い分、カフェラテの方がカロリーが高いことがわかります。
1-7.カフェイン量の違い
1-7-1.基本的なカフェイン量の違い
同じコーヒーの仲間でも、両者はカフェイン量も異なることで知られています。
そもそもカフェインとは、人の神経に興奮作用を引き起こす有機化合物です。
主な効能としては、
◎眠気覚まし
◎疲労感を減少させる興奮作用
◎老廃物を積極的に排出する利尿作用
◎血管拡張作用など
が挙げられます。
これはコーヒーだけでなく、私たちが普段よく飲む緑茶や紅茶、コーラなどの飲料に含まれています。
そのなかでも、比較的コーヒーにはこのカフェインが多く含まれているのです。
「カフェオレ」と「カフェラテ」のカフェイン量の比較を下図にまとめました。
一般的に、ブラックコーヒー100 ml あたりのカフェイン量は60 mgとされています。
一方、エスプレッソ100mlあたりのカフェイン量は212mg(引用元:米国農務省公式サイト「USDA」より)です。
たとえば、1杯200mlのカップで飲んだ場合、それぞれのカフェイン量は次の通りになります。
カフェオレ | カフェラテ | |
牛乳注入の場合のカフェイン量※1 | 60mg | 84.8mg |
※1 1杯200mlの場合。カフェオレ<コーヒー5割:牛乳5割>のためカフェイン量は半減。また、カフェラテ<コーヒー2割:牛乳8割>のためカフェイン量は8割減として計算。
(参考:食品安全委員会より)
カフェラテの方がややカフェインを多めに含んでいることがわかります。
1-7-2.大手コーヒーチェーン店の商品でカフェイン量を比較
しかし、ここで1つ注意があります。
それは、実際のコーヒー店で購入する「カフェオレ」「カフェラテ」を比べてみる限り、必ずしも「カフェラテ」の方がカフェインが多いというわけではない点です。
なぜなら、店舗のレシピによって牛乳やエスプレッソ、ドリップコーヒーの配分が少しずつ異なるため、カフェイン量に差が生まれてしまうからです。
ここでわかりやすい例を挙げてみましょう。
大手のコーヒーチェーン店「スターバックス」には、「カフェオレ」「カフェラテ」に対応する商品として以下のものがあります。
◎カフェミスト→カフェオレのこと
◎スターバックスラテ→カフェラテのこと
両者のショートサイズ(240nl)でカフェイン量を比較すると、このような結果が出ました。
カフェミスト(=カフェオレ) | スターバックスラテ(=カフェラテ) | |
総カフェイン量 | 94mg | 80mg |
ちなみに「スターバックスラテ」のショートサイズは、エスプレッソを1ショット(=豆から抽出した出来上がり量30cc程度)使用しています。
上記の比較表を見る限り、カフェミスト(=カフェオレ)の方がスターバックスラテ(=カフェラテ)よりも、カフェイン量が多いことがわかります。
前項とは別の結果になりましたね。
このように、店舗の作り方や使用量によって結果が異なるため、どちらがよりカフェイン量が多いかは一概には言えません。ただあくまでも念頭に置いておきたいのは、「カフェラテ」も「カフェオレ」もそれなりにカフェインを含む飲み物だということです。
どうしてもカフェインの摂取が気になる方は、カフェインを極力除去した「デカフェ」商品を選ぶこともできます。
参考までに、「スターバックス」では「デカフェ」商品を注文するとカフェインを大幅に減らすことができます。50円多くかかりますが(2020年10月時点)、必要な際はぜひ利用してみましょう。
【デカフェを注文した際のカフェイン量】(スターバックスの場合)
カフェミスト(=カフェオレ) | スターバックスラテ(=カフェラテ) | |
総カフェイン量 | 94mg→5mg | 80mg→5mg |
2.「カフェラテ」と「カフェオレ」を飲むおすすめのタイミング
「カフェラテ」と「カフェオレ」の7つの違いについて見てきましたが、この二つの特徴を踏まえて、おすすめの飲むタイミングをご紹介していきましょう。
特に、さきほど触れた7つの違いの中でも、次の3点に注目して飲むのに適したシーンを見ていきましょう。
カフェオレ | カフェラテ | |
(一般的な)カフェイン量 | 60mg | 84.8mg |
カロリー | 72.5kcal | 111.2kcal |
味わい | まろやか | 濃厚 |
これまで「カフェラテ」「カフェオレ」をなんとなく選んでいた方でも、おすすめの飲むタイミングを知ることで、より充実したコーヒータイムを過ごせるかもしれません。
2-1.カフェオレを飲むのにおすすめのタイミング
◎朝食時
カフェオレの発祥地フランスでは、朝食のときに牛乳をたっぷり入れたカフェオレを飲む人が多くいるそうです。
まだ眠気の残る時間、ストレートでコーヒーを飲むには胃が受け付けないとき、まろやかな口当たりのカフェオレがおすすめです。
◎ダイエット時
カフェラテに比べて牛乳量が少ないので、脂質を気にする方にはぴったりです。
ぜひカフェオレで深い一息をついて、目標体重に向かってダイエットに励んでみましょう。
2-2.カフェラテを飲むのにおすすめのタイミング
◎仕事や勉強で気合を入れたいとき
カフェオレに比べて、ややカフェイン量が多いので、眠気覚ましや頭をすっきりさせたいときにおすすめです。
◎午後や夕方の休憩に
朝から熱心に働いていると、午後には疲労感が増すものですよね。
そんなときは、カフェラテの濃い苦みが疲れをいやしてくれます。
気分にも張りが出て、その後の仕事にも取り組む意欲がわいてきます。
3.「カフェモカ」「カプチーノ」「カフェマキアート」との違い
1章および2章で「カフェオレ」と「カフェラテ」の違いについて理解できましたが、これではまだコーヒー店で余裕を持って注文するのは難しいかもしれません。
なぜならメニューには、この二種類のほかにも、「カフェモカ」や「カプチーノ」「カフェマキアート」など、さらに多種多様のコーヒーが並んでいることが多いからです。
「カフェモカ」や「カプチーノ」「カフェマキアート」とは一体どういうコーヒーなのでしょうか?
冒頭でご紹介したコーヒーの種類別チャートを、ここでもう一度覗いてみましょう。
「カフェモカ」や「カプチーノ」「カフェマキアート」を新たに追加すると、コーヒー全体の分類はこのようになります。
※素材の比率は、店舗や作り手により変化あり。上記は一例です。
以下、ひとつずつ見ていきましょう。
◎カプチーノ
「カフェラテ」とおなじぐらい、コーヒー店ではよく見かける商品です。
こちらもやはり「カフェラテ」と同様、エスプレッソをベースにしたものですが、コーヒーと牛乳の割合が大きく異なります。
それぞれの割合は以下の通りです。
エスプレッソ3割:蒸気で温めた牛乳3割:泡立てた牛乳3割
さらに、泡立てた牛乳(フォームミルク)をたっぷりコーヒーの上に乗せるのも、大きな特徴です。
(※割合はお店により変化することがあります。)
◎カフェモカ
「カフェモカ」の「モカ」とは、コーヒー豆の一種です。
エチオピア産、イエメン産がありますが、どちらも苦みが少ない代わりに、フルーティで爽やかな酸味と甘味が楽しめます。
こちらの素材の割合は次の通りです。
エスプレッソ2割:泡立てた牛乳7割:モカシロップ1割
ただし、モカシロップの代わりに、チョコシロップやココアで代用することもあります。
お店によっては、ホイップクリームやチョコレートソースで可愛らしくトッピングするところも多くあります。
◎カフェマキアート
「マキアート」とはイタリア語で、「汚れた・シミの付いた」という意味です。
エスプレッソの上に泡立てた牛乳を入れた様が、汚れをつけているように見えることから名づけられました。
そんな「カフェマキアート」の素材の割合は、次の通りです。
エスプレッソ6割:泡立てた牛乳4割
コーヒー店のメニューでは、上にキャラメルソースを格子状にトッピングした「キャラメルマキアート」なども人気があります。
このように同じエスプレッソベースのコーヒーでも、素材を割合やトッピングするものによって、まったく表情の違うコーヒーを楽しむことができます。そのときの体調や気分、状況に応じて、飲みたい一品を選んでみるのも楽しいかもしれません。
4.まとめ
今回は「カフェオレ」と「カフェラテ」の違いについて、以下の通り7点にまとめてお伝えしました。
カフェオレ | カフェラテ | |
コーヒーの抽出方法 | ドリップ抽出 | エスプレッソ抽出 |
コーヒー豆の焙煎度 | 浅く挽いた豆 | 深く挽いた豆 |
牛乳の含有量 | 牛乳5割:コーヒー5割 | (蒸気で温めた)牛乳8割:コーヒー2割 |
味わい | まろやか | 濃厚 |
語源 | フランス | イタリア |
カロリー | 少ない | 多い(牛乳が多いため) |
カフェイン量 | 少ない | 多い※1 |
※1 作り方によっては「カフェオレ」の方がカフェイン量が多いこともあります。
「コーヒーに牛乳を混ぜる飲み物」として一見見分けがつかない「カフェオレ」と「カフェラテ」ですが、ひとつずつ見ていくと大きな違いがいくつもあることがわかりましたね。
また、これらの特徴を生かして、どんなときに「カフェオレ」「カフェラテ」を飲めばいいのか、そのおすすめのタイミングについても触れました。
これまではなんとなく選んでいたものでも、今回の記事を通じて、それぞれ飲むのにふさわしいタイミングを知っていただけたのではないでしょうか。
違いを知ると、それだけで両者の味わいが楽しみになってきます。
ぜひ「カフェオレ」「カフェラテ」を上手に選んで、おいしくリラックスできる時間を過ごしてくださいね!
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