妊娠中、授乳中にコーヒーは飲んでも良い？カフェインとの付き合い方

妊娠された方、これから妊娠を考えている方、授乳中の方、みなさんカフェインとの付き合い方が気になると思います。

アルコールと同様に胎児や乳児に悪影響を及ぼすと言われており、病院や助産師さんからは止める、もしくは減らすようにと助言をもらうことも多いですが、その基準はどのくらいなのでしょうか。

1．カフェインとは

カフェインはコーヒー以外に緑茶、紅茶、ココア、コーラなどの飲料のほか、チョコレートや風邪薬などにも含まれています。

主な作用は

等があり、副作用として

というものがあげられます。

妊娠中や授乳中に気になるのは副作用として挙げた、寝れなくなる、骨が弱くなるという点などで影響があるといわれています。

カフェインはタンニンというポリフェノールと結合しやすいため、カフェインが含まれるコーヒーや緑茶を飲むときに一緒に体内に摂取することが多いです。

このタンニンは妊娠中には欠かせない鉄やカルシウムとも結合しやすく、せっかく食事などで摂取した鉄分やカルシウムと結合し、尿と一緒に出してしまうことがあります。

さらに、タンニンと一緒に摂取したカフェインには利尿作用があるので、鉄分やカルシウムの排出を促してしまいます。

そのため、カフェインを含む食品を取りすぎると慢性的に鉄分不足、カルシウム不足になってしまう恐れがあります。

また、外国の研究ではカフェインの摂取量が増加する毎に流産する確率も上がるという研究結果もあります。

カフェインを摂りすぎると、へその緒を通じて他の栄養素と一緒に赤ちゃんに送られてしまいます。

まだ消化機能が未発達の胎児はカフェインを排出することができず、体内に貯めてしまうのです。

また、カフェインには血管を収縮させる働きがあるので、血流が悪くなり、赤ちゃんに必要な栄養素が母体から届きにくくなることもあります。

母乳はお母さんの血液を原料として作られています。

その為お母さんがカフェインを摂取すれば、赤ちゃんも母乳を通じてカフェインを摂取していることになり、その量はお母さんが摂取したカフェイン量の約1％だと言われています。

その約1％という量がどのような影響を及ぼすかは、お母さんが摂取するカフェインの量にもよりますが、生まれたばかりの赤ちゃんにはカフェインを消化する機能が未熟なため、非常に長い時間をかけて排出することになります。

その間、カフェインの持つ興奮作用、覚醒作用、利尿作用の影響を受けることで、赤ちゃんが不眠になったり、寝つきが悪くなるなどの影響が考えられます。

WHO(国際保健機関)はカフェインの胎児への影響はまだ確定していないとしながらも、コーヒーを1日3～4杯までにすることを呼びかけていますし、FSA(英国食品基準庁)はさらに厳しいカフェインの摂取を1日200mg(コーヒー2杯程度)以下にするようにと求めています。

このようにカフェインを完全に摂ってはいけないのかというとそうではなく、上手くコントロールしながらカフェインと付き合うことが重要だと考えています。

特にコーヒーにはリラックス効果があったり、クロロゲン酸というポリフェノールによる健康増進効果もあり、コーヒー好きの人からは”妊娠中にコーヒーが飲めないという事がストレスで体に悪い“という意見もあったりします。

コーヒーだけでなく、お茶やチョコレートなど多くの食品に含まれるカフェイン量をすべて把握し、調整するのは難しいので、コーヒーは1日1杯などと決めると良いかもしれません。

コーヒーを1日1杯

私にはできません！という方にはノンカフェインコーヒー(カフェインレスコーヒー)をおすすめします。

最近のノンカフェインコーヒーは非常に味や香りも改善され、コーヒー好きの人でも満足できる物になってきています。

インスタントコーヒーにもありますが、コーヒー豆を焙煎した豆の状態でも販売されていて、自分でドリップして抽出することで苦みや酸味を調節することも可能です。

ノンカフェインコーヒーのカフェインを除去する時の薬品が体に悪いんじゃないの？という声もありましたが、カフェイン除去に使用する有機溶媒「ジクロロメタン」は日本で認可されておらず、日本国内では販売できない形になっているので、国内で選ぶ際には安心して選ぶことは可能です。

特にカフェイン除去の方法で超臨界二酸化炭素抽出法のカフェインレスコーヒーは味、香り共に非常に良いものになっており、カフェインレスコーヒーを検討している方は参考にしてみてください。

カフェインと健康についての研究は非常に多く、WHOも確定できるとは発表しないものの、摂りすぎには注意が必要だというスタンスでした。

妊娠中、授乳中、これから妊娠を考えている方は1日何杯と決めることがカフェインとの上手な付き合い方をするポイントで、ノンカフェインコーヒーという選択もおすすめです。

カフェインのことを参考に、より良いコーヒーライフをお楽しみください。