エメラルドマウンテンとは缶コーヒーの名前にもなっているほど有名なコロンビアのコーヒー豆です。
世界でも有数のコーヒー大国コロンビアのコーヒー豆の特徴を歴史と共に調べました。
1.コロンビアのコーヒーの歴史
コロンビアのコーヒ産業は意外にも南米諸国に遅れを取っていた時代がありました。
コーヒーノキ自体は1730年頃に伝わっており、コーヒーの栽培は行なわれていましたが、大規模なものでは無く、生産量もそれほど多くはありませんでした。
しかし19世紀末頃になるとコーヒーの需要が増えて、コロンビアもコーヒー豆の栽培と輸出に力を入れ始めます。
当時から世界一のコーヒー大国であったブラジルの様に安い豆を大量に作って販売するスタイルではなく、高品質の豆を生産し高価格で販売するスタイルを取り入れ、高品質なコーヒー豆を栽培していたコスタリカを目標にコーヒー栽培が進められました。
コロンビアはカリブ海と太平洋に面していて、アンデス山脈があることで標高も高く、寒暖差も大きい。
さらには乾季があることで、コーヒー豆の天日干しなど精製しやすい等、コーヒー栽培に非常に適している立地だったため、コーヒー農園はコロンビア全土に広がっていき、現在では約300万人もの人がコーヒ関連の仕事をするほどになっています。
また、コロンビア国内で雨季と乾季がずれている事から、収穫する時期もずれ、1年中安定してコーヒー豆を収穫・生産できる特徴があることで、今ではブラジル・ベトナムに次ぐ世界3位のコーヒー大国に成長しました。
2.コロンビアコーヒーのグレード・等級
コーヒー豆の評価の仕方は各国で異なり、コロンビアにはコロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)という組織があり、その関連会社であるAlmacafé(アルマカフェ)が等級を認定しています。
その基準は豆の大きさによって決まっています。
Excelso Premium(エキセルソ プレミアム)
スクリーン18でコロンビアコーヒーの中で最高グレード
Excelso Supremo(エキセルソ スプレモ)
スクリーン17で一般にはスプレモと呼ばれる場合が多い
Excelso Extra(エキセルソ エクストラ)
スクリーン16でコロンビアではスクリーン16以上をスペシャルティコーヒーに分類されていて、店舗ではエキセルソEX等と表記される場合が多い
Excelso Europa(エキセルソ ヨーロッパ)
スクリーン15で一番輸出量が多く、エキセルソと呼ばれる事が多い
Excelso UGQ(エキセルソ UGQ)
全体の50%以上がスクリーン15で残りはスクリーン14
Excelso Maragogipe(エキセルソ マラゴジッペ)
マラゴジッペ種でスクリーン14以上のコーヒー豆
マラゴジッペ種はもともと豆が大きいので、スクリーン18や19の豆も含まれている
Excelso Caracol(エキセルソ カラコル)
スクリーン12以上のコーヒー豆で最低グレードのため輸出はされずコロンビアの国内消費に使われる
その他に、FNCが認定した等級にエメラルドマウンテンや、丸豆のピーベリーがあります。
ピーベリーとは形が丸みを帯びていて、通常のコーヒー豆は1つのコーヒーチェリーの中に2つのコーヒー豆が入っているので、横から見ると半円状の形になっていますが、ピーベリーは1つのコーヒーチェリーの中に1つのコーヒー豆しか入っていないため、サイズは少し小さく全体に丸みを帯びています。
このピーベリーの中でも粒の大きいものをカラコルと呼び、カラコルはスペシャルティコーヒーに認定され、貴重なコーヒーとして取引されています。
3.コロンビアコーヒーの銘柄
ブラジルのサントス、タンザニアのキリマンジャロ、ジャマイカのブルーマウンテンなど世界各国には有名なコーヒーの銘柄があります。
エメラルドマウンテン
通称エメマンと呼ばれています。
コロンビアの等級は通常アルマカフェ社が認定していますが、エメラルドマウンテンはFNCが直接認定しています。
認定基準が厳しいことから非常に生産量も少なく、全体量の1%しか認定されない年もあり、収穫量にバラつきが出ています。
その基準は100%手摘みでの収穫で、コーヒー鑑定士によるカッピングを7回も実施し、さらに目で見て手で選別されたコーヒー豆だけをエメラルドマウンテンとして認定し販売されています。
コロンビアを代表するコーヒー豆だからこその厳しい基準で認定され、その味わいや香りはフルーツのような香りとチョコレートのような甘味が特徴の高級コーヒー豆です。
また、コロンビアコーヒーにはスプレモという名前で販売されている物もあり、先に説明した通りスプレモとは豆の大きさの等級で銘柄では無いのですが、最高等級という意味で使われているうちに銘柄のような形で使われるようになっています。
4.コロンビア産コーヒーの味と香り
コロンビア産のコーヒーの特徴は柔らかい苦みと、豊かなフルーティさが特徴で、中煎りにするとトロピカルな香りも楽しめます。
また、コロンビア南部で収穫された豆は栽培された標高が高いため、酸味が強いのが特徴となっています。
コロンビアの中でも品種や生産された地域、収穫時期によって全く違った味わい、香りになるので同じコロンビアと言えども色々と楽しめるのも特徴の一つです。
生産地の標高や環境による味への影響はこちらの記事でご紹介しています。
まとめ
コーヒー豆生産量世界3位のコロンビアは意外にも後発のコーヒー生産国でした。
しかし、ブラジルの様な大量生産ではなく、高品質のコーヒーを生産するという方針でコーヒー産業を発展させてきた結果が現在の姿となっています。
最高品位のエメラルドマウンテンはブレンドではなく、ストレートで味わいたい逸品です。
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