コーヒー豆を3種類の挽き目で飲み比べてみた

コーヒー豆を購入する時に、豆のまま、粗挽き、中挽き、細挽き、みなさんはどの状態で購入していますか?

まったく同じ豆、同じ焙煎度合いでも挽き目によって全く違うコーヒーになります。

おススメの購入方法を交えてご紹介いたします。

1.コーヒー豆を挽くとは

コーヒー豆はそのままでは味が出ません。

焙煎した豆を挽いて、粉の状態にしてからコーヒー抽出します。

このコーヒー豆を粉の状態に粉砕することを、コーヒー豆を挽くと言います。

ただ一言に挽くといっても、挽き目、粒度(メッシュ)、挽いてからの時間などによって、味・香りは大きく変化します。

2.粒度(メッシュ)とは

コーヒー豆の粒度

コーヒー豆を挽いた時の粒の大きさを粒度と言い、挽き方や挽く道具によって、粒度が異なります。

コーヒーを粉にした時の粒が大きいと水分が浸透するのに時間がかかり、大きすぎると十分にコーヒーが抽出できない事があります。

反対に粒が小さければ、水分が浸透しやすく、長時間抽出すれば雑味やエグ味まで出てきてしまいます

この粒度がそろっていれば狙った味・香りを引き出すことができるのですが、粒度がバラバラになってしまうと、コーヒーの味までバラバラになってしまい、美味しくないと感じることもあります。

この粒度に大きな影響を与えるのが、コーヒーミルです。

3.コーヒーミルの種類

コーヒーミルは手で取手を回してコーヒー豆を挽く手動の物と、電動のコーヒーミルがあります。

またコーヒー豆を粉砕する部分にも種類があり、大きく分けると2種類に分けられます。

①臼式

臼が回転しその間をコーヒー豆が通ることによって、コーヒー豆を潰すようにして粉砕する方法で、粒度が安定すると言われており、価格も高価なものが多いです。

業務用のコーヒーミルは臼の形が各社違うところはあるものの、ほとんどがこの臼式を採用しています。

また、臼式の電動で低回転の物は熱がコーヒー豆に伝わらずに粉砕できるため、ロースターからは狙い通りの味が出しやすいと人気があります。

②プロペラ式

カッターの歯が回転することによってコーヒー豆を切るようにして細かくする方法で、ミキサーのようなイメージです。

ミキサーでイメージすると分かりやすいのですが、ジュースなどを作る際は水分があるために中のフルーツなどが回転し均等に混ざりますが、水分が少ない状態でミキサーにかけても全体が均一に混ざりません。

コーヒー豆も同様で、プロペラ式の場合は歯があたる部分は細かく粉砕できますが、当たらない部分は細かくならないため、粒度にバラつきが出やすいのが特徴です。

価格が安くお求めやすいため、初めてコーヒーミルを購入する時や、豆のまま購入してみようと考えている方にはおススメです。

4.コーヒー豆を挽いてからの時間

コーヒーの粉

コーヒー豆は焙煎後直後から酸化が始まります。

酸化をすれば味・香りは落ちていきますが、焙煎直後はコーヒー豆に炭酸ガスを含んでいるため抽出が難しいと言われています。

そのため、炭酸ガスが落ち着く3日目~10日目が一番美味しいといわれ、喫茶店や焙煎所などでは3日間寝かせてからしか出さないお店もあります。

ただ、その美味しい期間というのはあくまで”豆のまま”の状態で保管した場合に限ります。

コーヒー豆を挽いた瞬間に、表面積は何十倍となり、酸化のスピードが比較にならないほど早くなり、挽いた後は2日~3日で味・香りが落ちてしまいます

おススメなのは焙煎後3日~10日のコーヒー豆を豆のままを購入し、飲むたびに挽く事をおススメします。

5.粗挽き・中挽き・細挽きの味、香りの違い

カリタのコーヒーミル

同じコーヒー豆を、同じ条件で焙煎し、挽き方だけ変えて飲み比べてみました。

使用したコーヒーミルはカリタのナイスカットミルで、コーヒー豆は酸味が強いエチオピアのイルガチェフェのハイローストです。

1)まずはコーヒー豆を10g ずつ3種類の挽き目で挽きました。

①粗挽き

コーヒー豆の粗挽き

大きめの粒が目立ちます。

しっかり抽出できるのか少し心配です。

②中挽き

コーヒー豆の中挽き

まずまず粒度がそろって、きれいに挽けています。

③細挽き

コーヒー豆の細挽き

パウダー状とまではいきませんが、細かく挽けていてエスプレッソにも使えそうです。

2)ハンドドリップで抽出します

①粗挽き

粗挽きのハンドドリップ

ハンドドリップ時に出る炭酸ガスの泡は少なめで、抽出にかかる時間は非常に短いです。

②中挽き

中挽きのハンドドリップ

粗挽きよりも炭酸ガスの泡が多めで、抽出時間も伸びました。

③細挽き

細挽きのハンドドリップ

炭酸ガスの泡が多く、抽出時間は非常に長く、終わるころには少し冷めてしまう程です。

3)色合いと香り、味

①粗挽き

粗挽きで抽出したのコーヒー

向こう側が透き通って見えるほど薄い色合いで、香りも強くはありません。

元々酸味の強い豆ですが、苦み成分が抽出されない分、酸味ばかりが感じられ、バランスの良いコーヒーとは言い難い結果となりました。

②中挽き

中挽きで抽出したコーヒー

粗挽きに似た色合いですが、香りはも感じられます。

酸味を感じますが、苦みも感じられ、ほんのりと甘味も感じることができるバランスの良さを感じるコーヒーとなりました。

③細挽き

細挽きで抽出したコーヒー

色合いが一気に濃くなり、光を通しても暗く見えます。

香りは中挽きと変わらないですが、酸味よりも苦みを強く感じ、飲み込んだ後に喉に渋みを感じる結果となりました。

もし今回の豆がミディアムローストであれば、中細挽き位がちょうど良かったかもしれません。

まとめ

コーヒー豆は焙煎度合いや挽き目で大きく味、香りが変わります。

今回のように酸味が強く、中煎りハイローストの豆であれば、中挽きで飲むのががちょうど良いかもしれませんが、個人の好みで酸味を抑えたい場合は細挽きにして、苦みを抑えてすっきりとした味わいにしたい場合は粗挽きにすると、同じ豆でも好みに合ったコーヒーを淹れる事ができると思います。

ぜひコーヒーミルを手に入れて、好みのコーヒーを探してみてください。

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