コーヒーの焙煎方法は多くのロースターと呼ばれる焙煎士達が、豆の持つ本来の美味しさや香りを引き出す方法を研究し続けているほど奥深く、焙煎の具合によって味や香りが変わることから、人それぞれの好みに合ったコーヒーの探求のために自家焙煎を行なう方々もいるほど多種多様になります。
今回は自宅で簡単に自家焙煎を成功させる方法を、たった1つのポイントと共にご紹介いたします。
1.準備するもの
- コーヒー生豆
- 手網
- ガスバーナー
- ガスボンベ
- うちわや扇風機
2.ハンドピックを行なう
コーヒー生豆の中には欠点豆と呼ばれる豆が存在ます。
- カビ豆…乾燥の過程で、しっかりと水分が抜けずカビが生えてしまった豆
- 黒豆…腐ってしまった豆
- 貝殻豆…豆の形が変形してしまった豆
- 割れ豆…衝撃などで割れてしまった豆
などが代表的なものですが、生豆を広げて見て「美味しそうではないな」と感じた豆を取り除けば良いと思ってください。
3.生豆の水分を抜く
コーヒーの生豆には、水分が残っています。
水分が十分に抜き切れていないまま、焙煎してしまうと出来上がりの香りが、青臭い匂いになったり、豆全体の煎りムラの原因になります。
そのため生豆の中心部から水分を抜くことがいい香りを引き出すポイントです。
方法はガスバーナーに火をつけ、コーヒー豆に直接火が当たらない高さで手網を左右に振り、焙煎していきます。
この時、必ず先に火をつけてから手網を火の上に移動させてください。
火をつける際に大きな火が上がると豆の一部が焦げてしまいます。
この焦げはコーヒーの苦みの味や香りの元ではなく、単に不味くなるだけですので今後の工程でも必ず焦がさない様にしましょう。
水分が抜けたのを確認する目安としては緑色だった生豆が、黄色に変わってきたタイミングです。
この工程に8~10分ほどかけると、生豆中心部からも水分が抜けていると思います。
この時間が短いと中心部に水分が残り、最後まで青臭さが抜けないままになってしまうので、最初の水分を抜く工程はじっくりゆっくりを進めてください。
早く色が変わってしまいそうな場合は火から遠ざけ、温度調整をしてください。
4.豆の温度を上げていく
水分が抜けた豆は温度の上昇も早くなり、色の変化も早くなります。
黄色になった豆が、薄茶色になり、コーヒー豆の香りが部屋中に広がり始めます。
それと同時にチャフと呼ばれる薄皮が飛び始めます。
このチャフが飛び始めると、豆が膨らんできた証拠です。
チャフは薄くて軽いので飛び散り、火の上に落ちれば発火の原因になりますので、一度に大量の豆を焙煎する時は気を付けてください。
焙煎終了の目安は1ハゼと呼ばれるパチパチという豆の弾けるような音を中心に考えます。
このハゼとは豆が大きく膨らむ時に、組織が壊れる時の音です。
分かりやすいものは1ハゼと2ハゼがあり、その後も焙煎を続けると3ハゼが起こります。
それぞれどのタイミングで焙煎を終了すると、どのくらいの焙煎具合なのかまとめましたので参考にしてください。
ライトロースト…1ハゼの始まり
シナモンロースト…1ハゼの終わり
ミディアムロースト…1ハゼと2ハゼの中間
ハイロースト…2ハゼの直前
シティロースト…2ハゼの始まり
フルシティロースト…2ハゼの最中
フレンチロースト…2ハゼの終わり
イタリアンロースト…2ハゼの終了後、焦げないように焙煎
焙煎終了後に手網に残ったチャフを見てみてください。
チャフが焦げずに残っているときは煙の匂いもついておらず、良い香りのまま焙煎できていると思います。
5.冷却する
焙煎終了後は豆の温度を下げなければなりません。
網も豆も温度が高いままなので、そのままにしておくと焙煎が進んでしまいます。
できればザルなどに移してうちわや扇風機、ドライヤーの送風で豆の温度を下げてください。
この時、冷却しながら割れ豆や、発育不良の豆、異形、風洞の豆などを取り除くことも忘れずに行ないましょう。
豆の温度が下がったら、シルバースキンと呼ばれるコーヒー豆の真ん中の線に爪を入れて、2つに割ってみてください。
この時確認してほしいのは、
・断面の色
・コーヒー豆の香り
です。
断面の色がグラデーションになっておらず、一定であれば水分がしっかりと抜けて、中心まで焙煎できている事が分かります。
コーヒーの香りも良ければ焙煎は成功です。
まとめ
焙煎士が日々探求している本格的な焙煎を簡単に行なうのはできませんが、自宅でも焙煎直後の味を楽しむことはできます。
ポイントはたった1つ、水分をしっかりと抜く事。
これさえ気を付ければ、どんな豆でも美味しく、香り良く楽しめます。
豆によっておすすめの焙煎があるように、人によっても好きな焙煎具合があると思います。
自分で色々と試してみて、お好きなローストを探してみてください。
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