最近では街のコーヒーショップでもスペシャリティーコーヒー使用と書いてあるお店も増えています。
今回はスペシャリティーコーヒーと3つのグレードについてご紹介します。
3つのグレード
コーヒーにはコーヒーピラミッドと呼ばれるグレードがあります。
その流通量と品質についてご紹介します。

1.スペシャルティコーヒー
世界のコーヒー流通量の約5%ほどしかなく、日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)のQグレーダーと呼ばれる審査員が審査を行ない、80点以上の評価を得たコーヒー豆です。
さらに85点以上となると、その中でもハイグレードなコーヒーでトップスペシャルティコーヒーと認定されます。
また、88点以上となるとトップオブトップと呼ばれ、流通価格も非常に高価なものになります。
2.プレミアムコーヒー
日本スペシャリティコーヒー協会(SCAJ)の評価で76点以上のコーヒー豆です。
プレミアムコーヒーも、どこの農園で収穫されたのか、どういた方法で精製されたのか等が明記されているので品質も高く、有名なキリマンジャロもプレミアムコーヒーに分類されることもあります。
3.コマーシャルコーヒー
約50%ともっとも流通量が多く、生産地は不明確で、品質も不安定です。
インスタントコーヒーの原料になったり、コンビニエンスストアで飲むコーヒーなどもこのグレードに入ります。
スペシャリティコーヒーや、プレミアムコーヒーに比べると味・香りなどは落ちてしまいますが、コンビニのコーヒに代表されるように美味しいコーヒーも多いです。
4.ローグレードコーヒー
今回は敢えてグレードの種類には入れませんでしたが、全流通量の約40%を占めるローグレードコーヒーという主に生産地で消費されるコーヒー豆も存在します。
スペシャルティーコーヒーってなんだろう

コーヒー豆の中でもいくつかのグレードに分かれていてその中でもほんの一握りのコーヒーがスペシャルティーコーヒーと認定されています。
そのスペシャルティーコーヒーの条件は高品質で特徴的な味わいを持つコーヒー豆です。
まず高品質な条件としてトレーサビリティーが明確で生産者の顔がわかる事が1つの条件です。
どこの国で作られてどんな製法で作られたのか、どのような輸送条件で誰が輸入したのかがわかることが重要です。
次に欠点豆が少ないことが挙げられます。
乾燥の過程で、しっかりと水分が抜けずカビが生えてしまうカビ豆や、腐ってしまった黒豆。
豆の形が変形してしまった貝殻豆や、衝撃などで割れてしまった割れ豆。
虫に食べられてしまった虫食い豆など欠点豆はハンドピックを行なっても混ざってしまいます。
最後に、第三者機関から味の良さや特徴などが認められていることが条件です。
日本にも、日本スペシャリティコーヒー協会SCAJがあります。
世界各地にスペシャリティコーヒー協会があり、これらの協会がテストを行ない、基準を満たしたコーヒーのみがスペシャリティコーヒーとして名乗ることができるのです。
スペシャリティコーヒーの審査基準
スペシャリティコーヒの審査基準は一般的なコーヒーを審査する基準とは異なり、下記7項目をチェックしています。

1. カップ・クォリティのきれいさ
これはコーヒーの品質の基本的スタートポイントとなるもので、カップのきれいさとは「汚れ」又は「風味の欠点・瑕疵」が全く無い事がポイントです。コーヒーの栽培地特性がはっきりと表現されるために必須な透明性があることも重要で、風味の「汚れ」「欠点」があると、風味のプロフィールが隠され、飲む人が感知できにくくなるので、重要なポイントとして挙げています。
2. 甘さ
コーヒーのチェリーが収穫された時点で、熟度が良く、且つ熟度がどれほど均一であったかに直接関係する甘さの感覚です。甘さとは、焙煎されたコーヒーに含まれる糖分の量が絶対的なものではなく、甘さの印象度を創造する他の成分・要素との結合にも依存し、糖分が高くても、甘さを感じることを阻害する要因―辛さのある苦味、刺激的な酸味、強い汚れ、渋み等が有ると甘さを感じにくくなります。
3. 酸味の特徴評価
コーヒーが如何に明るさを持つか。明るい爽やかな、あるいは繊細な酸味がどれ程であるかが評価対象です。良質の酸味は、コーヒーに生き生きとした印象度を与え、繊細さ、しっかりとしたバックボーンを与えるもので、酸度の強さではなく、酸の質について評価をしています。
反対に、刺激的な酸味、不快な印象度を与える酸味、爽やかさ・キレの無い酸味、劣化した嫌な酸味は、スペシャルティコーヒーには有ってはならない条件です。
4. 口に含んだ質感
コーヒーにより伝えられる触覚で、口に含んだ質感には、粘り気、密度、濃さ、重さ、舌触りの滑らかさ、収斂性感触などの感覚・触覚が含まれます。口に含んだ時の量感は、質感とは同じではなく、量感に気をとられ過ぎると不快なザラツキによる触覚をコクと誤って判断する結果となり、質感の品質を評価するようにしています。
5. 風味特性・風味のプロフィール
スペシャルティコーヒーと一般のコーヒーを区別する最も重要な項目です。
味覚と嗅覚の組み合わせで、栽培―収穫―回収―選別―生産処理―保管―焙煎―抽出が理想的に行われれば、栽培地域の特性が正しく表現されます。
コーヒーが一般的なプロフィールしか持っていないのか、あるいは栽培地の地域特性が純正に表現できているかを明確に評価しています。
6. 後味の印象度
コーヒーを飲み込んだ後で持続する風味は、コーヒーの他の属性により醸し出される心地よさを強める場合、弱める場合、あるいは一切駄目にしてしまう場合とがあります。
コーヒーを飲み込んだ後の「口に残るコーヒー感」が、甘さの感覚で消えて行くのか、あるいは、刺激的な嫌な感覚がにじみ出てくるのかを判定すしています。
7. バランス
コーヒーは風味の調和が取れているのか。何か突出するものは無いか。何か欠けているものは無いか。コーヒー全体のバランスを評価しています。
上記の条件を審査し、クリアしたコーヒー豆だけがスペシャリティコーヒーと名乗ることができます。

まとめ
多くのものにグレードが存在する様に、コーヒ豆にもグレードが存在し、国際機関によって客観的に評価されていました。
業界としてコーヒー豆に対する信頼を確保するのと同時に、スペシャリティコーヒーだから良い、コマーシャルコーヒーだからといって美味しくないという事ではなく、色々なコーヒーを試してみて自分に合ったコーヒーに出会って欲しいという思いも感じました。
ぜひコーヒーを選ぶ参考にしてみてください。
コメント