ハワイのお土産としても有名で、ブルーマウンテン、キリマンジャロと並んで世界3大コーヒーと言われるハワイのコナコーヒーとはどんなコーヒーなんでしょうか。
今回はその特徴と味、日本での購入方法についてご紹介いたします。
1.コナコーヒーの始まり
ハワイにコーヒーノキが植えられたのは1825年でした。
その年にリオデジャネイロからコーヒーノキを持ち帰ったボギ氏により、オアフ島に植えられたのが始まりで、1828年にサミュエル牧師が観賞用としてハワイ島のコナ地区に持ち帰り、植えた事がコナ地区でのコーヒー栽培の元となります。
気候などコーヒーノキが育ちやすい条件が揃ったのか、コーヒーノキはすぐに成長しコナ地区全体へ広がっていき、コーヒーを産業としようとする資本家などがコーヒー農園を経営し始めます。
特にコナコーヒーベルトと呼ばれるフアラライ山とマウナロア山の標高約500mあたりの地域は、肥沃な火山性土壌で水はけもよく、寒暖差も10度以上あり、コーヒーノキが成長するための条件が揃っていたため、大型のプランテーションシステムで栽培をしていました。
しかし、害虫被害やコーヒ豆の価格の低下などで1900年ごろまでには資本家たちは撤退し、大きな農園を分割し、貸し付ける形へ変化していったのです。
その貸付は地代をコーヒー豆で徴収する形を取ったため、特に資本の無い移民には農園主になるチャンスとなり、多くの日系移民が集まってきました。
2.日系移民によるコーヒー栽培
資本力の無い日系移民には農園主になるチャンスとなり、多くの移民がハワイ島のコナ地区に集まりましたが、今でこそ高級コーヒー豆として有名なコナコーヒーも当時は非常に安い価格で取引されており、決して順調な経営状況だったとは言えなかったと言われております。
しかし、勤勉な日本人の性格もあり、世界恐慌時もコーヒーを信じ創意工夫しながら作り続け現在のコナコーヒーの地位を作り上げていったのです。
このような歴史があるコナ地区は1920年頃に人口の約51%が日本移民で、日本人街と呼ばれる地域が作られ寺院など日本の文化を感じる所もあり、今でもハワイのコーヒー農園ではコーヒー豆の精製する場所を”クリバ”、コーヒー豆を乾燥する棚を”ホシバ”と呼ぶなど、日系人移民の影響が残っています。
3.コナコーヒーの等級とブレンド
コナコーヒーには等級があります
- エクストラファンシー…大きさが19/64 以上で欠点豆が1ポンド中10粒以下
- ファンシー…大きさが18/64 以上で欠点豆が1ポンド中16粒以下
- No.1…大きさが16/64 以上で欠点豆が1ポンド中20粒以下
- セレクト…大きさの基準はなく、欠点豆が重さの5%以下
- プライム…大きさの基準はなく、欠点豆が重さの25%以下
となっておりますが、プライムのグレードでも世界的に見ればかなりトップクラスの品質となっていることからも、コナコーヒー自体の品質の高さが分かります。
また、コナコーヒーはその希少性から100%コナコーヒーで販売されることは多くなく、10%以上コナコーヒーをブレンドしていればコナの名前を使用することができるようになっています。
- 100%コナコーヒー…コナコーヒー
- 10%以上コナコーヒー…コナブレンド
となっていますので、商品を選ぶ際の参考にしてください。
4.幻のコーヒー”ピーベリー”
ペーベリーとはコーヒー豆が突然変異した豆の事で、非常に希少で、コナコーヒー全体の3%しか取れません。
そのため、先ほどの等級とは別に”ピーベリー”という等級が存在し、その価格は通常のコナコーヒーの2倍以上もします。
形が丸みを帯びていて、通常のコーヒー豆は1つのコーヒーチェリーの中に2つのコーヒー豆が入っているので、横から見ると半円状の形になっていますが、ピーベリーは1つのコーヒーチェリーの中に1つのコーヒー豆しか入っていないため、サイズは少し小さく全体に丸みを帯びているのです。
そのため本来2つの豆に分かれるはずだった栄養分が1つにまとまり、形が丸いことで焙煎時の火の入り方も安定し焙煎ムラも少ないため、味わいが柔らかくなり、甘味が出やすいと言われています。
5.コナコーヒーの味の特徴とおススメの焙煎度合い
コナコーヒーの特徴は強い酸味としっかりとしたコクです。
香りは熟れたフルーツのような甘い香りを感じられます。
その特徴を活かすため、焙煎度合いはミディアムロースト~シティローストにすると酸味を活かした香りの強いコーヒーになると思います。
豆の挽き方は中細挽きで、ペーパードリップでじっくり入れると甘味が際立ち、コクも感じるマイルドなコーヒーの出来上がりです。
まとめ
コナコーヒーは世界3大コーヒーの一つで、高級コーヒーとして知られています。
しかしその歴史に日系移民のみなさんが大きくかかわっている事はあまり知られていません。
こういったことを知るだけでもコナコーヒーへの思いが変わりますね。
なかなか出会う事のできないコナコーヒー、出会ったときにはぜひ酸味と甘い香りをお楽しみ下さい。
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