焙煎度合いでコーヒー豆の何が変わるのでしょうか。
酸味・苦み・甘味・香り・コクなどコーヒーの味わいがどう変わっていくのか、同じ豆で4つの焙煎度合いを飲み比べしてみました。
1.焙煎度合いとは
焙煎度合いは浅煎り、中煎り、深煎りとあり、深くなるほど焙煎が進み、高温で煎られた状態になります。
細かく分けると8段階になっていて、
- ライトロースト
- シナモンロースト
- ミディアムロースト
- ハイロースト
- シティロースト
- フルシティロースト
- フレンチロースト
- イタリアンロースト
と分けられ、ライトローストが一番浅煎りで、酸味が強く残っているため飲用としては難しい状態です。
イタリアンローストは深煎りで、酸味はほとんど感じず苦みが強くなっています。
2.4つの焙煎度合いの豆
今回はシナモンロースト、ミディアムロースト、ハイロースト、シティローストを用意しました。
左からシナモンロースト、ミディアムロースト、ハイロースト、シティローストとなっています。
それぞれ30gを用意しましたが、浅煎りほど見た目にも分かるほど量が少なく、水分が残っていることがわかります。
また、1ハゼのタイミングでコーヒー豆が大きくなりますが、それ以降の2ハゼ前の間にも少しずつ豆が大きくなっていくことが見て分かります。
①シナモンロースト
焙煎はコーヒー豆の温度が194℃で1ハゼが起こり、その約2分後に198℃で終了したコーヒー豆です。
ちょうど1ハゼの終了くらいのタイミングで、色合いは薄茶色で、豆のシワもしっかりと伸びています。
②ミディアムロースト
焙煎はコーヒー豆の温度が192℃で1ハゼが起こり、その約3分30秒後に203℃で終了したコーヒー豆です。
1ハゼと2ハゼの中間のタイミングで、色合いは茶色になり、シルバースキンもきれいに出ており、焙煎後の重量が生豆に比べて約15%ほど軽くなっていました。
③ハイロースト
焙煎はコーヒー豆の温度が198℃で1ハゼが起こり、その約4分後に220℃で終了したコーヒー豆です。
2ハゼが来る直前で、豆のふくらみも大きくなり、豆の水分がしっかりと抜けているのを感じる軽さになっています。
④シティロースト
焙煎はコーヒー豆の温度が192℃で1ハゼが起こり、その約4分後に224℃で2ハゼが来たので、約30秒様子を見て終了したコーヒー豆です。
きれいなコーヒーブラウンで、豆を挽いた後のチャフも少なくなっています。
3.中挽きで抽出する
ハンドドリップで比較するため、4種のコーヒー豆を中挽きにしました。
左からシナモンロースト、ミディアムロースト、ハイロースト、シティローストで、色の濃さが大きく異なります。
また、挽いた時のチャフの残り具合も深煎りほど少なく、ハゼの影響で、チャフがしっかり取れていることがわかります。
きれいなコーヒードームができ、これも深煎りほど大きく膨らみました。
4.4つのコーヒーを飲み比べ
全てハンドドリップで抽出し、抽出量も同量でカッピングを行い比較しました。
①シナモンロースト
刺激的な酸味が残っており、コーヒー豆の生き生きとした香りも感じますが、かなり好き嫌いが分かれるといった感想です。
スペシャルティコーヒーとして豆の特徴を感じることはできますし、フルーティなコーヒーが好きな人にはおすすめです。
②ミディアムロースト
程よい酸味と軽い苦みがあり、明るい印象を持つ味わいです。
後味に甘味を感じるようになり、コーヒーとしてのバランスの良さを感じました。
③ハイロースト
市販品でもこの焙煎度合いが最も多く、万人受けしやすい事だけあって、非常に飲みやすい印象です。
酸味と苦みのバランスが良く、柑橘系のさわやかな香りも感じつつ、ナッツのような香ばしさも感じます。
④シティロースト
ナッツのような香ばしい香りと、ほんのり甘い香りも感じます。
味わいは酸味はほとんど感じず、キレのある苦みや深いコクを感じるようになりました。
まとめ
焙煎度合いでの味、香りの変化は大きなもので、焙煎は1分、5℃の変化でも大きなものになります。
実際には8つの焙煎度ではなくもっと細かく分けるべきですが、今回の焙煎でも1ハゼの温度も異なります。
何を基準としてコーヒー豆を選ぶのか、これは色々なコーヒーに出会って自分の好みを知り、それを具現化してくれるロースターに出会うことが一番だと感じました。
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