マンデリンコーヒーの特徴と味-インドネシアを代表する高級コーヒー豆

マンデリンコーヒーといえば”苦い“というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

その苦みにもマンデリンだからこその理由がありました。

インドネシアを代表するコーヒー豆の歴史と共にマンデリンコーヒーの魅力をご紹介いたします。

1.インドネシアコーヒーの歴史

スマトラ島

マンデリンコーヒーはインドネシアのスマトラ島北部の一部の地域で生産されています。

世界4位の生産量を誇るインドネシアは、その多くがロブスタ種(カネフォラ種)で全体の約90%にもなり、マンデリンを含むアラビカ種は約10%ほどしか生産されていません。

インドネシアでは元々アラビカ種を生産していましたが、20世紀初頭の”サビ病”の流行で一気に衰退し、病気に強いロブスタ種への切り替えが一気に進んだ影響が現在にも続いています。

そのような中でも”マンデリン族“と呼ばれる民族がスマトラ島の北部でロブスタ種に切り替えることなく、アラビカ種を丁寧に栽培し続け、その味や香りが評価されるにつれて、そのコーヒー豆が”マンデリン“と呼ばれるようになりました。

スマトラ島は自然豊かな火山のある島で、水はけもよく、標高も高く、栄養も豊富な土壌だったため、コーヒー栽培に適しており、さらにはマンデリン族が丁寧に作り上げた伝統の影響で高級コーヒーブランド”マンデリン”を作り上げました。

世界的にも土地の名前で呼ばれることが多いコーヒーの銘柄ですが、民族の名前で呼ばれるコーヒーは珍しく、最近では”マンデリン・トバコ“や”ガヨ・マンデリン“などといったように、生産地の土地の名前とマンデリンというブランドを組み合わせた名前で販売されるようになっています。

ジャコウネコ

また、インドネシアのコーヒーの中には”コピ・ルアク“と呼ばれるコーヒーも非常に有名で、ジャコウネコ・コーヒーとも呼ばれています。

その名の通り、ジャコウネコのコーヒーなのですが、収穫方法が珍しく、ジャコウネコがしたからコーヒー豆を採取し、精製することでコーヒーにするという方法です。

コーヒー豆を食べるジャコウネコが完熟したコーヒー豆だけを食べるという習性を利用して行う方法で、ジャコウネコの糞からは嫌なにおいなどはせず、コーヒー豆も完熟したコーヒー豆だけを集めたものなので、コーヒー豆の品質も良く、非常に美味しいコーヒーが淹れられると人気となっています。

しかし、その希少性から非常に高価で簡単には手に入らないため、幻のコーヒーと呼ばれており、日本の喫茶店などでは1杯5,000円以上するような価格となっています。

2.マンデリンコーヒーのグレード・等級

コーヒー豆

等級の決め方は各国によって基準が異なり、インドネシアの場合は300g中に含まれる欠点豆の量でG1~G5の5段階で決まっています。

生豆300gに含まれる欠点豆の数

  • G1…欠点豆が11個以内
  • G2…欠点豆が12個~25個
  • G3…欠点豆が26個~44個
  • G4…欠点豆が45個~80個
  • G5…欠点豆が81個~150個

となっており、さらにG1グレードの中でも、味や香りが特に優れていると評価された豆は”SG1”と表記され、マンデリンの中でも最高ランクのマンデリンとして販売されています。

3.マンデリンの銘柄

コーヒー生豆

先に紹介したようにマンデリンの中でも地域の名前が付いたブランドがあります。

①マンデリン・トバコ

スマトラ島にあるトバ湖の湖畔で栽培されているコーヒー豆です。

標高は約1800mで肥沃な大地のため、肥料などは使わない有機栽培をしている農家も多いのが特徴です。

②リントン・マンデリン

スマトラ島北部のリントン・ニ・フタ地区で栽培されるコーヒー豆です。

マンデリンの中でも特に高品質のコーヒー豆として知られ、トラジャと並び世界的にも有名なコーヒー豆です。

4.マンデリンコーヒーの特徴

マンデリンコーヒー

イマージ通り、苦みが強いのが特徴です。

その理由は独特なマンデリンの精製方法にあります。

コーヒー豆の精製方法はナチュラル・ウォッシュド・パルプドナチュラルなどがあり、コーヒーの果実部分を取るタイミングや、ミューシレージと呼ばれる粘質の層を取り除く方法などにより、名前が異なります。

マンデリンの精製方法は”スマトラ式“と呼ばれ、雨の多いインドネシアで考えられた方法です。

先に挙げた3つの精製方法は、どれもパーチメントと呼ばれる生豆の殻の部分が付いた状態で乾燥させて、最後に殻を脱穀し完成となりますが、スマトラ式の場合は乾燥の前の段階でパーチメントを取ってしまい、生豆の状態にしてから乾燥させます。

そのため、生豆が曲がっていたり、時にはカビなどが生えてしまう場合があります。

この方法で精製されたコーヒー豆は生豆が深緑色をしていて、水分含有量が多く、焙煎時にしっかりと水分を抜くために深煎りをしていたという事で、イメージが苦みが強いコーヒーとなっていったのです。

最近ではマンデリンを浅煎りで楽しむ人も増え、穏やかな酸味を楽しんだり、濃厚なコクを楽しんだりと、マンデリンの楽しみ方も変わってきているのも特徴です。

まとめ

マンデリンはマンデリン族に支えられた高級コーヒー豆で、その味わいや香りは独特な精製方法によるものが大きいのがわかりました。

インドネシアにはご紹介したコピルアクや今回はご紹介していない“トラジャ”という高級コーヒー豆もあります。

アジアでは一歩抜きに出た存在のインドネシアのコーヒー豆をぜひ楽しんでみてください。

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