キリマンジャロといえばコーヒーを思い浮かべるほど有名ですが、本当は山の名前で、場所はアフリカのタンザニアとケニアの国境付近にあります。
なぜコーヒーの方が有名になったのか、キリマンジャロのコーヒー豆の特徴や味はどうなのか、タンザニアには他にもコーヒー豆はあるのか等を含めてご紹介いたします。
1.キリマンジャロの場所と歴史
タンザニアの国名よりも有名なキリマンジャロ山は富士山をはるかに凌ぐ標高5,895mもあります。
その麓の標高1,500m~2,500mで栽培されたコーヒー豆をキリマンジャロという名前で販売し、日本ではキリマン等と呼ばれ非常に有名なコーヒーとして成長しましたが、現在ではキリマンジャロ山の麓だけでなく、タンザニアで収穫されたコーヒー豆で、水洗式で精製され、品種がアラビカ種であれば全てキリマンジャロとして輸出・販売しています。
タンザニアでのコーヒー栽培の歴史は古く、約300年前にはカネフォラ種(ロブスタ種)の栽培が始まり、1900年頃にはイエズス会によってもたらされたアラビカ種のコーヒーが栽培され始めます。
現在でもコーヒー農園は小規模農家が多く、その割合は約85%にもなり、他の国と違い農園の名前でのコーヒー豆は多くはありません。
また、元々はキリマンジャロ山のあるタンザニア北部での栽培が多かったのですが、現在では南部の収穫量が増え、コーヒー豆生産の中心が南部へと移ってきています。
2.タンザニアコーヒーのグレード
スペシャルティコーヒーの評価方法とは異なり、タンザニアの中での等級があります。
タンザニアでは豆の大きさ(スクリーンサイズ)と品質で等級が決まっています。
①豆の大きさ(スクリーンサイズ)
- AA…6.75㎜以上
- A…6.25㎜以上~6.75㎜未満
- B…6.15㎜以上~6.25㎜未満
- C…5.9㎜以上~6.15㎜未満
この豆の大きさで等級を決める国は多くの国で導入されております。
②品質
- FINE
- GOOD
- FAIR GOOD
- FAQ+
- FAQ
- FAQ-
- POOR FAIR
- POOR
- VERY POOR
の順で品質が高いものほどFINEに寄り、品質が悪いものはVERY POORに近づきます。
コーヒー豆を選ぶ時の参考にしてみてください。
3.キリマンジャロの味の特徴
栽培されている場所の標高が高ければ高いほど、寒暖差が大きく、コーヒーの実が引き締まり酸味の強いコーヒー豆となります。
キリマンジャロもその特徴があり、酸味が強くコクもあり、飲み口はスッキリとしていて、甘いバニラの様な香りも感じられます。
最近ではセブンイレブンがスペシャルティコーヒーとして通常メニューとは違うコーヒーにキリマンジャロを採用し話題になりました。
4.キリマンジャロにおススメな焙煎
酸味があるキリマンジャロは浅煎り~中煎りでは酸味の効いたスッキリとしたコーヒーに仕上がり、朝のコーヒーとしておススメです。
また、中深煎り~深煎りの場合は酸味が落ち着き、コクが増すことでコーヒーとしてのバランスが良くなり、甘い香りも相まってキャラメルのような味わいに変化して、夕方のコーヒーとしておススメです。
ただ、酸味があるコーヒーですので、ミルクとの相性はイマイチで、ストレートで楽しんで頂きたいコーヒーです。
5.抽出方法
キリマンジャロの酸味と香りを引き出すためには、お湯の温度をいつもより少し低めに冷ましてから使うと、より酸味と香りを引き出すことができます。
温度は85℃~90℃がおススメです。
挽き方は粗挽きにすれば、より酸味を引き出すことができ、細挽きにすればコク・苦みを引き出すことができます。
キリマンジャロの特徴を感じるためにも、最初は中煎り・中挽き・85℃のお湯で試してみて、酸味を引き出したいのか、コク・苦みを楽しみたいのかで調節してみてください。
まとめ
国名よりも有名な”キリマンジャロ”
最近ではスペシャルティコーヒーとしてセブンイレブンでも販売される程になってきています。
日本はキリマンジャロの輸入量世界一と日本人の好みに合うのかもしれません。
もちろん一般的なコーヒー豆と比べれば値段は高くなりますが、キリマンジャロの特徴である酸味とコクと甘い香りをぜひ飲んで楽しんでみて下さい。
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