コーヒー発祥の地といわれるエチオピアのコーヒーはどんな特徴があるのでしょうか。
日本でもお馴染みのモカコーヒーは本来、エチオピアコーヒーのことだったりします。
今回はエチオピアコーヒーの歴史などに触れながら、エチオピアコーヒーの特徴をご紹介いたします。
1.エチオピアコーヒーの歴史
1000年以上も昔の話、羊飼いであったカルディがエチオピアに自生していたコーヒーノキの実をヤギが食べて、飛び跳ねているのを見つけました。
その赤い実を試しに茹でて飲んでみたのがコーヒーの始まりだという伝説があります。
これは非常に古い話で、コーヒーの原型になったのかどうかは分かりませんが、エチオピアでは昔からコーヒーの実を茹でて飲む習慣があり、これが世界に広がり、コーヒーの原型になったとも考えられています。
現在では人口の約20%、5人に1人はコーヒー関係の仕事をしています。
また、コーヒー生産量もアフリカでは1位、世界でも7位の生産量を誇りますが、その半分は自国で消費するという、生産も消費も非常に多い、コーヒー大国になっています。
2.エチオピアコーヒーの等級・グレード
コーヒー豆の等級は各国ごとに基準が異なり、エチオピアでは300gのコーヒー豆の中に何個の欠点豆があるかを調べて、その欠点豆の個数で等級が決まります。
等級はグレード1~グレード8までに分かれており、日本に輸入されているのはグレード5以上とされています。
- グレード1…欠点豆が3個以内
- グレード2…欠点豆が4個~12個以内
- グレード3…欠点豆が13個~27個以内
- グレード4…欠点豆が28個~45個以内
- グレード5…欠点豆が46個~90個以内
- グレード6…欠点豆が91位個以上
エチオピアの基準では味の評価がされておらず、味や香りの評価についてはSCAAなどのスペシャルティコーヒー協会の評価を確認したほうがいいと思います。
また、エチオピアのコーヒー豆の精製方法はほとんどが非水洗式ですが、水源が豊富なイルガチェフ地域など一部の地域では水洗式を取り入れており、水洗式で精製したコーヒー豆はグレード1かグレード2が適用されています。
3.エチオピアコーヒーの銘柄
エチオピアコーヒーといえばモカですが、そのモカとは元々はイエメンの港の名前でした。
その港から輸出されるイエメン産とエチオピア産のコーヒーを“モカ“と呼ぶようになったのです。
同じモカでもモカ・シダモやモカ・ハラーなど、モカの後に地名がつけられることも特徴です。
①モカ・カッファ
先に紹介したコーヒーの発祥といわれる伝説の地で、”コーヒー”という言葉の語源も”カッファ“から来ていると言われています。
このカッファ地方のコーヒー豆は生産者が100%特定できる事でも有名で、丹念に作られたコーヒー豆は非常にクオリティが高く、さわやかで口当たりの良いのが特徴です。
②モカ・イルガチェフ
非常に高品質なコーヒーとして有名で、スペシャルティコーヒーの代名詞ともなっているコーヒー豆です。
標高2000mの高地で栽培され、火山灰性土壌のため水はけもよく、コーヒーノキ栽培に適した地域で、さらには水源が豊富なので、水洗式で精製されることが多く、エチオピアコーヒーの中で最高ランクのグレード1が適用されることもあります。
なかには水洗式ではなく、自然乾燥方式(ナチュラル)も採用されており、それぞれ味わいや香りが異なるので、同じイルガチェフェでも飲み比べてみると面白いと思います。
③モカ・シダモ
エチオピア南部のシダモ地方で栽培されているコーヒーで標高2000m以上の高地で栽培されています。
高地で栽培されている事で、実が引き締まり、小粒なコーヒー豆が特徴で、同じシダモ地方のイルガチェフェと同様に品質が高く、水洗式で精製されたコーヒー豆はグレード1が適用されている場合もあります。
エチオピアコーヒーでグレード1が適用されるのは、モカ・シダモとモカ・イルガチェフェのごく一部のみとなっています。
④モカ・ハラー
モカ・イルガチェフェ、モカ・シダモと並んでエチオピアコーヒーで有名なのがモカ・ハラーです。
モカ・ハラーの栽培は標高2000mの山の斜面で栽培されるため、一粒一粒手で収穫され、自然乾燥(ナチュラル)方式で精製されるため、粒の大きさや品質にバラつきがあり、品質管理を徹底するため選別を2回行うこともあります。
また、モカ・ハラーは大きさや形などでボールドグレイン、ロングベリー、ショートベリーに分けられ、最も品質の高いボールドグレインは希少なためあまり市場に出回らず、一般にはロングベリーがモカ・ハラーとして出荷されています。
4.エチオピアコーヒーの特徴
ご紹介した銘柄すべてに言える特徴が”酸味“です。
2000m~3000mという寒暖差の大きい高地で栽培されることで、栄養が蓄えられ、その糖分が焙煎時に加熱されることで酸味へと変化するのです。
その為、酸味が強いコーヒーが生まれやすく、近年のスペシャルティコーヒーの特徴でもある良い酸味を持ったコーヒーが多いのも特徴です。
また、香りも世界最高の評価を得ているのがエチオピアコーヒーです。
特にイルガチェフェは赤ワインやアプリコットなどのフルーツを感じさせる香りで高い評価を得ており、他の銘柄もブルーベリーのような香りのモカ・ハラー、シトラス系の香りのモカ・シダモと香りの面でも高い評価を得ています。
酸味や香りを活かした飲み方をするのであれば、焙煎度合いはミディアムローストなど浅煎りに近い焙煎具合がおすすめですが、エチオピアコーヒーは香りや酸味だけでなく、力強いボディーも持ち合わせているので、深煎りにしてチョコレートのような味わいを楽しむのもおすすめです。
まとめ
世界でもトップレベルの評価を得ているエチオピアコーヒーは、香りや酸味を活かすミディアムロースト、力強いボディーを活かすフルシティローストと幅広く楽しめるのも特徴でした。
特にモカ・イルガチェフェのグレード1はなかなか出会えない逸品です。
もし出会う機会があればぜひ一度試してみてください。
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